VPD計算ツール(飽差)
植物に最適な温度と湿度のバランスを見つけます。
結果
VPDの目標値は一般的な指針です。最適範囲は種・遺伝特性・CO₂濃度によって変わります。出発点として用い、ご自身の植物をよく観察してください。
履歴
概要
飽差(VPD:Vapor Pressure Deficit)は、植物まわりの空気が持つ「乾燥させる力」を示す指標で、空気が現在保持している水分量と、葉温において保持できる最大量との差を表します。温度と湿度を1つの数値(kPa)に統合し、植物の蒸散の速さを予測します。蒸散は養分吸収・気孔の挙動・病害リスクを直接左右します。
対象となるユーザー
密閉された栽培室やグロウテントを運用し、相対湿度(RH)だけを追うのではなく温度と湿度をまとめて微調整したい屋内・温室栽培者向けです。加湿器・除湿機・エアコンを使い、生育ステージごとに1つの目標値を定めたい方に特に役立ちます。
使い方
- 気温を入力します(計算機は地域に応じて°Fまたは°Cで表示します)。
- 湿度計から読み取った相対湿度(%)を入力します。
- 葉温オフセットを設定します。葉は通常、空気より1〜3°C低いため、約−2°C(−3.6°F)が良い初期値です。IR(赤外線)温度計で葉温を直接測定する場合は0を使用します。
- VPDの結果をkPaで読み取り、どの生育ステージ帯に入るかを確認します。
- VPDが現在のステージの目標帯に収まるまで、温度または湿度を調整します。
計算例
計算例
気温25.6°C(78°F)、相対湿度60%、葉温オフセット−2°C(−3.6°F)の場合、計算機はおよそ0.94 kPaのVPDを返します。これは0.8〜1.2 kPaの帯に収まり、栄養成長に理想的です。したがってこの部屋は栄養成長期にバランスが取れており、変更の必要はありません。
使用する計算式
SVP(T) = 0.61078 · e^(17.27·T / (T + 237.3)) • VPD = SVP(T_leaf) − SVP(T_air) · RH/100
結果の見方
VPDが低いほど、湿潤で蒸散の少ない空気(クローンには好適だが、開花期にはカビのリスク)を意味します。VPDが高いほど、乾燥して蒸散の多い空気(ストレス、葉の巻き、カルシウム障害を招くことがある)を意味します。各ステージの序盤は範囲の下限を、植物が成熟するにつれて上限を目指しましょう。
推奨範囲
| 生育ステージ | 目標VPD(kPa) |
|---|---|
| クローン/実生 | 0.4 – 0.8 |
| 栄養成長 初期 | 0.8 – 1.0 |
| 栄養成長 後期 | 1.0 – 1.2 |
| 開花 初期 | 1.2 – 1.4 |
| 開花 後期 | 1.4 – 1.6 |
よくある間違い
- 葉温の代わりに気温を用いること。葉は気温より低いため、オフセットを無視するとVPDを過大評価します。
- 栽培全体で単一のVPDを目標にすること。クローン・栄養成長・開花はそれぞれ異なる帯を必要とします。
- 湿度だけを追うこと。RH60%は温度次第で最適にも、はるかに乾燥しすぎにもなり得ます。
- 植物が実際に存在する樹冠(キャノピー)の高さではなく、壁や換気口の近くでRHを測定すること。
よくある質問
植物にとって良いVPDはどのくらいですか?
おおよそクローンと実生で0.4〜0.8 kPa、栄養成長で0.8〜1.2 kPa、開花で1.2〜1.6 kPaです。これらは一般的な屋内目標であり、品種や遺伝特性によって理想は変わります。
VPDは高いほうが良いですか、低いほうが良いですか?
どちらの極端も良くありません。極端に低いVPDは蒸散を遅らせ、カビやうどんこ病を招きます。極端に高いVPDは植物に過度なストレスを与え、しおれや養分のロックアウト(吸収障害)を引き起こすことがあります。目標はステージに合った中間帯です。
葉温と気温のどちらを使うべきですか?
葉温が最も正確なVPDを与えます。測定できない場合は、葉温オフセット欄を使い、気温から約2°C(3.6°F)を引いて推定します。
なぜVPDは湿度より重要なのですか?
湿度だけでは温度を考慮できません。同じRH60%でも、20°Cと30°Cでは蒸散が大きく異なります。VPDは両方を1つの数値に取り込みます。
VPDは点灯時と消灯時で変わりますか?
はい。暗期には通常、温度が下がるため、同じ湿度でもVPDは低下します。多くの栽培者は夜間にやや低めのVPDを許容し、RHが上がりすぎないように注意します。